ディーセント・ワークと新福祉国家構想――人間らしい労働と生活を実現するために

雇用のあり方研究会・伍賀一道・西谷敏・鷲見賢一郎・後藤道夫編

旬報社、2011年11月刊行

 

A5版・212ページ

 

税別1500円

 

大震災からの復興をめざす今こそ雇用の劣化と働き方の貧困から脱却して、ディーセント・ワークの実現と福祉国家政策の確立を。




目次

序章 新自由主義「構造改革」を転換しディーセント・ワークの実現を

一 東日本大震災が提起したもの

二 本書の基本的視点

1 ディーセント・ワークを必要とする雇用の現状と課題

2 福祉国家的施策を必要とする実態と課題

3 「新しい福祉国家」について

 

第1章 雇用の劣化と働き方の現状

一 雇用と働き方・働かせ方を把握する視点

二 雇用の劣化、働き方の貧困

1 非正規雇用・不安定就業の肥大化 

2 正規雇用の働き方の貧困 

3 正規雇用と不安定就業の融合 

三 半失業、顕在的失業、潜在的失業の相互関係

1 半失業―雇用と失業の中間形態 

2 顕在的失業者 

3 潜在的失業者 

四 経済・社会・産業の特徴と雇用・失業・半失業

1 グローバル競争下の輸出主導型経済構造、大企業の国際競争力強化支援、労働法制の規制緩和 

2 労働力とエネルギー浪費の「二四時間型社会」 

3 公共的社会サービス(介護、福祉、保育)の貧困、市場化 

4 福祉国家型の産業・就業構造と日本との対比 

 

第2章  ディーセント・ワーク実現の課題

一 安定した良質な雇用の実現

1 はじめに 

2 解雇規制の意義と安定的雇用の要請 

3 有期雇用の制限 

4 間接雇用(労働者派遣) 

5 同一価値労働・同一賃金、最低賃金、ジェンダー平等 

6 人間らしい働き方 

7 労働者性と個人事業主 

8 今後の政策課題―とくに非正規労働問題について 

二 日本における失業保障制度の現状と課題

1 雇用保険―カバー率は改善されたか 

2 求職者支援法―「第二のセーフティネット」といえるか 

3 生活保護―「最後のセーフティネット」として機能しているか 

4 さいごに 

三 あるべき労働市場のあり方―雇用創出・公的就労事業の再建・職業訓練

1 雇用をつくる 

2 労働市場の改革はディーセント・ワークを基礎に 

3 第二の労働市場と雇用のセーフティネット=「公的就労事業」の再興を 

 

第3章 福祉国家型経済産業システムの展望

一 震災前の日本経済

1 輸出主導型経済 

2 賃金抑制によるデフレの深刻化 

3 持続的な円高 

4 日本経済の化石燃料と原発依存 

二 震災後の日本経済と通商国家論

1 通商国家論での日本経済の再構築は何をもたらすか 

2 通商国家論では被災地域の産業は衰退する 

3 選択と集中による地域開発の危険性 

三 低炭素・福祉国家型経済産業システムによる日本経済の再構築

1 低炭素・福祉国家型経済産業システムとは何か 

2 低炭素・福祉国家型の経済産業システムへの展望

 

第4章 健全な労働市場と福祉国家構想

一 ディーセント・ワークの条件の不足と日本型雇用

1 失業時保障の不足と雇用基準・労働基準の不足の相乗関係 

2 両者の不足の日本的背景 

二 日本型雇用に対応する小さな社会保障と勤労者への生活保障の極度の脆弱□

1 小さな社会保障・公租公課による貧困 

2 日本型雇用と開発主義国家による代替 

3 社会保障における公的責任のいっそうの縮小─構造改革 

三 福祉国家型社会体制への転換の必要とディーセント・ワーク

1 失業時保障の制度的整備 

2 最低賃金を最低生活費の数割増しに 

3 社会保険料代替拠出の必要と最低生活費非課税原則 

4 失業扶助における所得制限など受給要件の新たな考え方 

5 最低保障年金制度の必要 

6 児童手当と最低生活保障における子ども分 

7 基礎的社会サービスの現物給付と住宅補助がささえるべき失業扶助 

四 福祉国家型システム転換にかかわる諸論点

1 大きな福祉国家財政 

2 福祉国家型施策の本格的展開と新たな経済循環 

3 脱原発と福祉国家構想 

 

補論 裁判の現状と労働者・国民の権利

一 非正規労働者の裁判闘争の現状と課題

1 派遣切り裁判の現状と課題 

2 期間切り裁判の現状と課題 

3 個人請負労働者の労働者性 

二 労働者の諸権利をめぐる裁判闘争の現状と課題

1 解雇等 

2 男女差別 

3 労働時間 

4 過労死・過労自殺・メンタルヘルス 

5 セクハラ・パワハラ 

6 労働者の自由と権利 

7 高齢者雇用

 

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執筆者

書評情報

『女性労働研究』57号、2013年 評者:栗田隆子